ジュゴンが減った原因と資料を見た!隠された資料(その2)。

ウチナンチュは見た

2014年03月31日 18:36

先日、私「伊良部島の次男」が思いつきで作ってみたジュゴンの藻場と埋立地と目撃例の地図を、専門家sacomさんが図面化してくれましたー!!
資料用にも役立つはずです!!
それではsacomさんドゾー!!


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5月10日(土)14時~ 宜野湾市民会館ですよ-!!(イベント詳細は最下部)




ジュゴンが減った原因と資料を見た!隠された資料(その2)。

 相変わらず鬼忙しいsacomです。アソビタイ・・・
 そんな調子ですが熱が冷めないうちに、続きを書いてみようと思います。




 ジュゴンを語るうえで、どんな調査がなされてどんな資料があるのか・・・そして、実態はどうなのか。管理人伊良部島の次男が雑な図面を作っていたので「しょうがない、作るか」ってことで、複数の図面をかぶせて、一目瞭然の資料が作れないか考えてみました。

かぶせるのはwebで公表されている、下記の資料に掲載されている図面です。

★「ジュゴンの話P4 図5 沖縄本島周辺におけるジュゴンの目視地点と食跡の分布図」
★「P14 図7 沖縄本島周辺の海草藻場の分布図」
★「沖縄の埋め立て計画・既存の埋立地」

 残念ながらCADデータ等ではないので荒いビットマップになってしまいますが、できるだけ図面に近い形になるよう、データを半透明化して重ねて位置調整をし、最小限の誤差にとどめるよう注意しながら作業していますが、座標データを伴っていないので、それでも誤差はつきまとうことをご了承いただければと思います。




 また、埋立地の表示については「沖縄の埋立地と埋立計画(沖縄の渚の現状)http://www.ne.jp/asahi/awase/save/jp/data/higatagenjyou/
」というサイトを参考にしましたが、こちらも埋立地名のみしか記載されておらず、実際の地図と比較しながら、水路(元々の護岸が残っている)や地域境界(たとえば沖縄市海邦町など)を判読し、できるだけ同じような大きさになるよう、1ピクセルごとに書き入れていきました。

 見づらいですがピンクで示す辺野古や泡瀬、那覇空港、浦添コースタルビーチリゾートなどは埋め立て計画のある場所になっています。
 さて、図面を作成して思ったことを書いてみます。

【埋め立て地について】
 辺野古(160ha)に対して、中城湾港や西崎・豊崎・潮崎など都市部の埋め立て地が明らかに広いこと。ちなみに、辺野古の埋め立て面積と那覇空港代に滑走路の埋め立て面積はほぼ同じだそうです。報道等でも扱いに違いがありますよね。
 「埋め立て面積の問題じゃない!」とかいう人たちがいそうですが、じゃあ何でしょうか?基地は悪い埋め立てで、自分が使う埋め立てはいい埋め立てなのでしょうか?
 前々から書いておりますが、どこの海にも立派な生態系があって、あっち側の人たちがよく使う言葉を借りて言うならば「生き物の種類の問題ではない」です(実際都市部でも多くの生き物がいます)。

 ちなみに私は航路土砂の有効利用として、商業施設やレジャー施設用地としての埋め立てのほうがよほど無駄だと考えています(辺野古は危険性除去のためいたしかたないと思います)。


【ジュゴンのはなし「海草藻場の分布図」のズレについて】
 「ジュゴンのはなし」について、イデオロギーに関係なくわかりやすい資料だと感じました。しかしながら、当該図面の元ネタを探っているうちに、ものすごく雑に作っているというか、「意図的にズラして作ってないか・・・?」と感じるようになりました。こうした図面には「(環境省2002年より作成)」などの記述があり、つまり県が独自に調査してとりまとめた資料ではなく、環境省その他機関・団体が作成した資料を”わかりやすくとりまとめた”パンフレットであるわけです。
 ちなみに、元ネタはこちらです。環境省ホームページより

 環境省:ジュゴンと藻場の広域調査 平成13年度~17年度 結果概要
http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=8978&hou_id=7864
 
 環境省:ジュゴンと藻場の広域調査 平成13年度~15年度 結果概要
http://www.env.go.jp/nature/yasei/jugon/h13-h15.pdf




 一見するとわかりやすいですが、環境省資料をかぶせてみると、アマモ場を示す円の位置がズレている箇所がある・・・しかも「辺野古」「泡瀬」「豊崎」「那覇空港」といった、埋め立て地、あと、ジュゴンが確認されている古宇利島などでです。

 これって何らかの意図を感じるのですが・・・たとえばですが
 「辺野古はジュゴンが食べるアマモがたくさんあります。だから埋め立て反対です」
 「ほかにも埋め立てがありますが、ジュゴンのアマモ場はありません。埋め立てどうぞどうぞ」
 上記はあくまでも妄想にすぎませんが、地図のズレ方を見ると、意図的に作ったような気がして仕方ないのです(手続き等いろいろあるんでしょうが、そのまま環境省の図面乗せれば正確だったはず)。

 なお、元ネタになっている環境省調査では、東浜のアマモ場は埋め立てで消失した旨明記されています。こういう事隠すための図面じゃないですよね?








【資料に登場する「ジュゴンネットワーク沖縄」について】
 「ジュゴンのはなし」や環境省資料を読み解いていくと、「ジュゴンネットワーク沖縄」という団体から提供されている資料が多々見受けられます。資料を読み解いていくと「表2 沖縄近海におけるジュゴンストランディング(座礁・混獲)記録」をとりまとめ、魚網への混獲事故の対応を行うなど、ジュゴン保護活動をする団体であることがわかります。

 ちゃんと活動してるんだな・・・という一方で、ウエブサイトを見てみると、やっぱり・・・活動のメインが「普天間移設反対」とか、「高江ヘリパット移設反対」という文字が踊る・・・(汗)ジュゴンを保護するためにやるべき事が他にある気がしますが、どうなんでしょうね。

ジュゴンネットワーク沖縄ホームページ 
http://www.ii-okinawa.ne.jp/people/higap/

 「ジュゴンの話」P4図5の一般情報についてですが、元ネタである環境省調査によると、主にこの団体の目撃情報であるそうです。それを踏まえたうえで辺野古周辺の目撃情報の図面を見ると・・・すべてが一般情報(主にジュゴンネットワーク沖縄)であるわけですね。
 地元辺野古の漁師さんも見たことがなく、環境省や防衛省が航空機調査をしても辺野古で探せなかったジュゴンが、反基地運動をベースにしている団体に頻繁に目撃されているって・・・香ばしいですなぁ(笑)

 ちなみに、先の名護市長選挙のさい、現職候補が「辺野古には10頭のジュゴンがいる」と街頭演説で発言していたのがテレビニュースで流れていました。
 沖縄本島の近海のジュゴンは環境省では最小固体5頭→防衛省の環境影響評価では3頭(金武・宜野座沖のジュゴンが見られなくなった)となっており、最小固体は残ってて3頭と考えられます(ウィキペディアと一致)。なので「辺野古に10頭のジュゴンは事実無根」ということになりますね。

 そろそろまとめていきたいのですが、「ジュゴンのはなし」によれば、ジュゴンは20頭いて1頭増えればいいというほど、繁殖が難しい生き物だそうです。本気で増やす対策を打たねば、そのまま絶滅するのは目に見えています。

 「ジュゴンのはなし」をとりまとめた県が、本来の原因(漁業)を知らないはずがなく、また、環境省へ資料提供をしている団体が、ジュゴンが本当に危機的状況にあることが一番よくわかっているのではないかと思いますが、今後どう対応していくのでしょうか。

 今回、できる限り調べてみて、こうした調査が一部の人たちの活動のため、人目に触れないようにされ、問題を摩り替えて利用されていたことがよくわかりました。まず「実態を知る」というスタートラインにようやくたつことができたのだと思います。

 実態を無視して辺野古に限定したジュゴン保護をするのもおかしな話ですし、「何の対策もしなかったじゃないか」というのも一理あるでしょうが、今から何ができるかってことが重要なのだと思います。非常に少ない選択肢、またすでに結末は見えているのかもしれませんが・・・ ジュゴンが減った大きな原因が隠蔽されたまま、「辺野古を埋め立てたために絶滅した、悲劇の生き物」として取り上げられるのはいかがなものかと思います。

 なお、私なりに感じたことですが、ジュゴンが減った原因のひとつに「モズク養殖」があると見ています。「ジュゴンのはなし」P13、また、沖縄県環境保護課の「藻場のはなし」にも、アマモを含む藻場が「モズク養殖」に使われていることが紹介されています。

 アマモ場にモズク養殖ネットを張れば、光合成ができないアマモは弱るでしょうし、警戒心の強いジュゴンはえさを食べられず、また、モズク養殖網に絡む事故が起きる可能性があります(昼間の航空調査ではリーフ外で目撃されており、夜間リーフに入ってきてアマモを食べているそうです。環境省の航空調査では、リーフ外を泳ぐジュゴンの様子が記録されています。最大18kmを移動したそうです。)

 モズク養殖は豊漁続きで、在庫をかかえているという話を各所から聞きますが、もしモズク養殖がアマモの育成、ジュゴンに影響を与えているならば、重点的な部分を減らすなどしてもいいのではないでしょうか。これは素人判断でしかないですが、在庫抱えると値崩れ、管理コストのほうが高くつくはずです。

 モズクを含む養殖場や定置網などの漁網を設置するさいは漁業権の取得(漁協の組合員になる)が必要で、漁協へ漁業権の免許を発行するのは、埋め立て承認と同じく県の仕事でもあります。漁業権全般を審議する「漁業調整委員会」なる機関が県に設置されるのですが、ジュゴンを取り巻く問題は議論されなかったのでしょうか。ジュゴンの一番の脅威が漁業であることを、各資料で知っていたはずなのですが・・・
(原理主義的に”漁業をやめろ”と言ってるわけではありませんので念のため。調整が必要なのでは、ということです。)


 また、ここ最近共感できたことを、二つ書きたいと思います。

 那覇空港第二滑走路埋め立て工事に先立ち、埋め立て予定地のリーフで自然観察会が行われ、その様子がテレビに映っていました。解説者は私がかかわっている地元の環境保全活動でもお世話になっている方でした。その方の言葉です。

 「開発をするなじゃないんですよ。環境も考えながら開発していきましょうよという事なんですよ」

 私自身、釣り人として自然、特に都市部の自然とかかわっていろいろ感じる人間として、本当に共感できる一言でした。これを実現するための調査・手続きが「環境影響評価」であって、仲井間知事が承認したことは行政手続きでしかありません。環境を盾に違法と主張する人がいるならば、すべての埋め立てを違法としてほしいと思っています。

 でも、実際はスルーですよね。要は反基地運動に利用したいだけのこと、身近な環境問題をスルーしながら環境がどうのって、軽く使わないでほしいものです。当たり前のようにその様子を、時に誇張して報道するマスコミも同様です

 また、「ジュゴンのはなし」で共感できる言葉があったので、これも引用させていただきたいと思います。

 ~私たちにできることは何なのか、考えて見ましょう
(中略)
②自然を体験してみること
 実際の自然を体感することも大切です。実際に現地に行き、自然が持つ色・音・水の感触やさまざまな生き物を自分の目で見て、触れて、感じることは、本や映像などで得た知識とは違う何かが得られるはずです ~

 これは立場を超えてぜひともお願いしたいことでもあります。新聞その他マスコミ報道のイメージで、また、web情報だけで知ったつもりになるのは、どちらも同じようなことだと思うのです。少しでいいです。近所の海でも川でも森でかまいませんから、ちょっと自然に触れて、何でもいいから生き物を探してみてほしいと思います。少し観察眼が付けば、沖縄のいびつな環境問題に隠された「もう一つの問題」が見えてくるはずです。

 さて、デイゴの花が咲き始めているので、シラスが沸いて水面が騒がしくなるころです。自分も海に繰り出してみましょうかね。


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最後に、行事のお知らせです!

「沖縄県祖国復帰42周年記念大会」

テーマ 「世界をリードする誇りある沖縄県を目指して」

日 時  5月10日(土)14時~
場 所  宜野湾市民会館(宜野湾市役所となり)大ホール
参加費  500円


第一部 沖縄県祖国復帰42周年記念式典
第二部 記念講演 講師 池間哲郎先生(カメラマン、「日本はなぜアジアの国々から愛されるのか」著者)





昨年の大会模様



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