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2013年09月04日

sacomが沖縄の埋め立てを見た!米軍基地以外の埋め立ても中立的に見よう


 久々に投稿させていただきます。ものすごく忙しいsacomです。前回の続きを書いてみたいと思います。

変態
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sacomが沖縄の埋め立てを見た!米軍基地以外の埋め立ても中立的に見よう

浦添の松本市長
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sacomが沖縄の埋め立てを見た!米軍基地以外の埋め立ても中立的に見よう

 つい先日、就任半年を迎えた浦添市長が「浦添埠頭埋め立て地における、第二ステージの環境影響評価を凍結する」という発表をし、知事にもその旨伝えたというニュースをしていました。よく決断したなと思います。


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 知事は「3人4脚でしている共同事業だ。長い時間かけて議論しており、ああそうですかとはいかない」とコメントしており、マスコミもある程度中立的な報道をしている印象を受けました。知事は辺野古でも同じことを言って、マスコミはこんな感じで中立的な報道してくれよと思ったりします。無理だろうな・・・。

 さて、浦添埠頭埋め立て地第二ステージとは、「那覇港浦添ふ頭コースタルリゾート地区港湾整備事業」のことです。この計画にはマリーナ・・・つまりボートやヨット等の"係留施設"を作ろうというのが含まれています。

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 このマリーナの場合、レジャー等で利益を上げる”営業艇”を係留することを前提としているようです。たとえば遊漁船(釣り船)、ダイビング船、遊覧船などが営業艇になります。隣にホテルを誘致するため、利用者の利便性が高い、ということのようです。

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 遊漁船に限定すると、船舶免許(1級または2級+お客さんを乗せるための特定免許)を取得し、所定の講習会と遊漁船での5時間以上×10日の研修を受けて、県水産課にて手続きをすれば、経営に必要な諸手続き(税務関係など)をしたうえで営業することができます。
 私自身も、遊漁船業をしていた経験があり、営業艇を始めるにあたり何よりも難しかったのが「係留場所の確保」でした。偶々空いていたマリーナに置くことができ、また、営業艇が解禁されるタイミングだったのでよかったのですが、遊漁船を含めすべての営業艇において、「係留場所不足」は大きな課題になっています。このため、那覇港の浦添キャンプキンザー沖を埋め立てて、営業艇を置ける港(マリーナ)を作ろうというわけです。

 ちなみに、那覇港というのは、那覇市の軍港の向かいにある港を指すのではなく、浦添市の北西側にある空寿崎から那覇の沖合い数キロ、空港外側にある大嶺崎を結んだ海域すべてを言います。浦添市の多くも那覇港に入っているのです。軍港の向かいを含めた港湾施設は「ふ頭(埠頭)」と呼ばれています。

 さて、ここからが本題なのですが、係留場所が不足しているのは、私自身理解していますが、果たして埋め立てまでしてマリーナを新設する必要があるかは、疑問があります。


 このブログでも伊良部の次男坊が記事にしていた、那覇市の”龍柱”もそうなんですが、こうした観光目的の事業には、当然ながら「経済効果」が付き物です。
http://bokugamitaokinawa.ti-da.net/e5067384.html

 まず思いつくのは、埋め立て整備、ホテル建設等において公共事業や企業からの資金が動くわけですから、土木建設業にはうれしい話だと思います。小さなメンテナンスはあろうかと思いますが、完成すればそれでおしまいという事業です。
 
 マリーナを作れば、それを利用する人たち(営業艇、ホテル、ビーチ等)と関連する事業の経済が動きます。観光立県なので、完成後の運用にによる経済効果が期待できるという意見もあります。しかし、私はこのマリーナを作ったうえでの観光経済に、どの程度貢献できるのかという点で、別の見解をしています。

 釣りに限って言うならば、一般の方なら沖縄の釣りといえば、県魚グルクンやヤオのマグロ、カジキなどを連想するかもしれません。最近はジギング(メタルジグという金属製のルアーを沈めて動かし魚を釣る)も流行っています。沖縄の釣りをもりあげたいという動きがあります。

 しかし、ある時期から「これでいいのかな?」と考えるようになりました。魚が明らかに減っているためです。魚が減っている原因については、以前紹介した川の問題を含む環境変化もあるでしょうし、釣り人そのもののプレッシャーによる、釣り場の荒廃にあると思っています。

 上手い釣り人、頑張っている釣り人からすれば、まだまだ釣れると言います。新しい釣り方、ポイントが開拓されれば獲物は釣れます。しかし、一時的なものであると思います。たとえば沖縄では伝統的に行われているアオリイカ(シルイチャー釣り)。エギングという、エギ(餌木:和製ルアー)に動きを与えるアクティブな釣りが流行りだしてから、昔ながらの静かな”曳き釣”時代に比べ安定して釣れるようになりましたが、以前より明らかに数が減っています

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 プレッシャーを受けて釣魚が口を使わない、厳しい状況になると、その対応策の一つとして”底を釣る”ようになります(私自身もそういう時期がありました・・・)。こんな事を言ってしまうと、釣りなんてできなくなってしまうのですが、ふと海中のことを考えるようになったとき、急に怖くなりました。海中にゴミが残ってしまうのです

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 もし釣りを含め、マリンレジャーを観光産業として育てるには、マリーナを作って船を増やすことよりも、海中掃除だとか、釣り魚を育てることに予算を使ってもいいのではないか。また、利用にあたっては何らかのルール作りをすべきではないかと思うのですね。

 もちろん、漁協などがタマンなどの稚魚放流を行っていますが、豊富な餌があってこそ育つものですし、小さい魚はリリースするなどのルールが守られてこそ、稚魚が大きく育つわけです。

 本土や海外の釣り場では、しっかりとしたルールがあるために、すばらしい釣り場が守られているケースも多くあります。海中清掃は釣りに限らず、ダイビングにおいてもプラスになると思うのですが、どうせ予算をかけるのであれば、こういう部分にかけてみるべきではないかと思うのですね。龍柱作るよりも、よほど観光にプラスになると思うのです。

 または、本土の入漁券や海外のライセンス性も考えてみたほうがいいかもしれません。公共の海川で釣りを楽しむために税金を支払うのは嫌だ!という方もいるかもしれませんが、釣りを長く楽しむためには、プラス要素も多いはずです。(要はどこに予算を使うかですが)

 ついでに申し上げておきますと、沖縄県ぐるみで外国人観光客誘致の運動をしています。釣り業界も喜ばしいと思っているかもしれません。なぜか筆頭にあの国があがるのが気がかりですが・・・

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 しかし、「外国人漁業の規制に関する法律」か何かの法律で、外国人が撒き餌やトローリングをすることを禁じていますので、釣り業界が外国人観光客に期待することは難しいと思われます。つまり、撒き餌と撒いてサビキでだます県魚グルクン釣りも、パヤオ(浮き漁礁)でのキビナゴをバラ蒔くフカセ釣りも、カジキのトローリングもできません。
 水産関係法令の専門家である県水産課から、遊漁船業をはじめる事業者に対して(やんわりとではありますが)注意を受けますから、解釈は概に上記のとおりと思われます。罰則規定もあるらしいですから、釣り業界関係の方は注意されたほうがいいかもしれませんよ。

 釣り船を含んだ営業艇の係留場所不足については、何を埋め立てなんてしなくても、解決策は十分にあります。まず、営業艇禁止の県管理マリーナを、営業艇OKにすることです。もう一つが漁港の活用です。漁港には結構な空きスペースがあります。

 おそらく漁港が活用できないのは、何らかの”法律の壁”と”利権”の問題があるのではないかと思います。実際漁業者が遊漁船業を兼業しているケースが多いのです。つまり、専業の営業艇と、兼業の営業艇があるわけです。
 この点、営業艇のルール徹底化などで対応できるのではないかと思います。実際、漁協以外の営業船を係留させている漁港もあるようですからね。(厳密には漁港扱いじゃなくて、漁港が管理する一般港かもしれませんが・・・)
 ちなみに、漁港も航路土砂で埋め立てて整備した、一種の埋立地であります。

sacomが沖縄の埋め立てを見た!米軍基地以外の埋め立ても中立的に見よう

 以上、「那覇港浦添ふ頭コースタルリゾート地区港湾整備事業」が果たして必要な埋め立てであるのかといえば、自分はまったく不要な埋め立てであると私は考えています。

 こういう事を書いちゃうと「保守のブログであっち側の人が記事書いてんじゃね?スパイか?」みたいな事を言い出す方もいるかもしれませんが、最終目的は観光産業の育成(長期的な持続経済)であって、土建業の仕事を増やすこと(中短期的な経済振興)ではないはずです。目的を履き違えてはいけないと思います。

sacomが沖縄の埋め立てを見た!米軍基地以外の埋め立ても中立的に見よう

 目的を履き違えたままビーチの運営や各種営業艇、連携したホテルを建設しても、経済面においても長期的にプラスとなるか、疑問があるわけです。

 私は経済の話が得意というわけではないですが、次回はもうちょっと大きな沖縄経済の可能性と、埋め立てとの密接な関係、そして一部の埋立地で反対運動が激化する理由について考えてみたいと思います。


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Posted by ウチナンチュは見た at 11:39│Comments(3)環境問題埋め立て安全保障基地問題sacom
この記事へのコメント
突然のご連絡をお許し下さい。 「沖縄ニュース新聞」編集長 大城と申します。tasuke.okinawa@gmail.comまでご連絡頂けませんでしょうか。どうぞよろしくお願い致します。
Posted by todayanentodayanen at 2013年09月16日 16:54
「沖縄ニュース新聞」編集長大城様
コメントありがとうございます!

Sacom多忙のため、代わりまして返信させていただく失礼をお許しくださいね

大城さまが何をお聞きになりたくてご連絡くださったのか判っているほうが、メールしやすいので、差支えない範囲でお教え願えますでしょうか?

よろしくお願いいたします!
Posted by 職業・教祖 at 2013年09月17日 11:00
少し前の記事ですが、同意します。この計画は沖縄のためにはならないと思います。一部の人しの一時的な利益のためだけに埋め立てすべきではありません。将来的なマイナスです。
Posted by あ at 2018年08月20日 20:46
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☆「職業・教組」・・・
ウチナンチュのような顔をしたナイチャー姉さん。家庭を守る主婦として沖縄暮らしについて一家言ある。非常識なペンネームに対して割りと常識人。                                                      
     ☆「sacom」・・・
何百年も続く家系の由緒正しきウチナンチュ。命をかける釣りのことから、環境問題、安全保障問題について他の追随を許さない知識量を誇る。しかしあまりにもマニアックすぎて周囲からは変態扱いされている。                                        
☆「もう琉大生」・・・首里城近くに生まれ育った、ちゃきちゃきのウチナンチュ。
進学校に進み、地元ヒエラルキーの頂点と言われる琉球大学に進学するものの、物足りなさを感じていた。

                         ☆「伊良部島の次男」・・・ 
2年前に仕事の関係で、那覇市に引っ越してきた。「ナイチャー」「ナイチャー」と言われ悩んだことも。
ペンネームは伊良部島へ行った時に、何故か道行く人に「オマエは◯◯の次男か」と何度も何度も間違われたことから。

☆「某琉大生」・・・※「もう琉大生」君とは別←沖縄生まれ沖縄育ち。沖縄の中の欺瞞的な反基地論を徹底的に批判するが、それは地元沖縄への郷土愛があるからこそ。見てはいけないものをよく見る。