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2013年05月08日

「沖縄の川」を見た!3 最終回

次回から「埋め立てネタ」を送ります。(その3)

マニアック担当のsacomです。今回も沖縄の川から見えてくる、身近な環境問題について、私なりに見たり考えたりしていることを書いてみたいと思います。


 海川を汚さない対策の一つとして下水道がありますが、整備状況はまだ完璧ではありません。那覇市は下水道整備率90%に達している模様ですが、他の地域は50%に満たない地域もたくさんあります。
 また、下水道整備率の高い那覇市内においても、トイレは下水道に繋がっていても、台所は垂れ流しというケースがあると、水道工事関係者から伺ったことがあります。


 使用される洗剤については、以前のような有りん系洗剤が使われることがなくなり、以前のような泡だらけの汚染はほとんど見なくなりました。植物の三大栄養としてしられるのが「窒素」「リン酸」「カリウム」ですから、洗剤に使われているリンが植物プランクトンの栄養となり、増えた植物性プランクトンを餌に、動物性プランクトンも増える。結果的に水質悪化に繋がっていたわけですね。プランクトンの異常発生による酸欠状態「赤潮」もこの延長線上にあります
 食物連鎖はバランスが大事で、何かの生き物だけが多すぎてはいけないという実例ですね。

 無リン系洗剤が使われるようになって、過剰な栄養供給による水質汚染の影響は小さくなった印象です。
 しかし、除菌洗剤が多用されるようになり、有益な微生物(バクテリア)を死滅させ、結果として食物連鎖のサイクルを阻害しているではないか・・・そう考えるようになりました。

 熱帯魚やエビ、水草などのアクアリウムをされている方ならご存知だと思いますが、微生物を育てることはとても大事なことです。

 上下水道だって、最後は微生物処理をしてきれいになります。
 アクアリウムなら微生物が窒素を含むアンモニアを分解し、”硝酸体窒素”まで分解して、ようやく水草の栄養になるらしいのですね。
 このメカニズムを楽しみながら知りたい方は水草水槽をされてみてください。本格的にアクアリウムする方にとって、水槽近くで除菌材を撒くなんて、もってのほかです。私自身はカルキ(塩素)抜き前の水道水をくみ取るときも、蛇口に洗剤や石鹸が残っていないかかなり気を使っています。

 除菌材が川に垂れ流しされたら、果たしてどうなるのでしょうか?
 また、下水処理場や浄化槽は機能するのでしょうか?

 以前からある塩素系除菌材は強力ではありますが、ばっ気することで弱まるようです。最近の除菌材は人体には優しいのですが、どの程度影響を与え続けるのか不明です。

 また、除菌材としては古くから強力な塩素系が使われていますが、当然影響はあるでしょう。しかしながら、アクアリウムでもわかるように、塩素系は「ばっ気」することで抜けます。塩素系は強力な除菌材ではありますが、その点使用量を制限して使うなら、もしかすると後々の影響は少ないという可能性はあります。
 前々回にお話したことに戻りますが、「沖縄の川は短い」が特徴です
 本土の大河川に比べて、水量もわずかです。そこに不明の除菌材が撒かれる。微生物環境はどうなってしまうか。また、微生物が支えている生態系にどんな影響を与えるのか・・・そう考えると、環境問題って身近な問題であり、生活の場から考えなくてはならないと思うわけです。

 もちろん、安全な生活をするためにも除菌材を使うべきという場面もあります。要はバランスの問題で、やたらめったら使うのは考え物ということなのです。

 なお、川に”有用微生物培養液(または固体)”を撒く運動もありますが、除菌材の上に撒かれても、あまり意味がないかもしれません。また、その培養液や有用微生物そのものが悪影響になっている可能性だってあります。いつか外来種による影響についても私なりの見解を書いてみたいのですが、目に見えないところだけに怖い部分です。
 沖縄県内多くの市町村が有用微生物を撒く行為を推奨していますが、中には悪影響を懸念して、注意を促している市町村もあります。同じ沖縄県内でも、行政担当者の見解で対応がかなり違うようです。

 川は陸の栄養を運ぶ大動脈であり、そこに悪いものが入れば、血管を通して海に注ぎます。川を知ることで、沖縄の環境問題をコンパクトに知ることができるのではないかと思いますし、川に限らず海でも道でもいい。すぐ近くに生態系があります

「沖縄の川」を見た!3 最終回

 上記考察は全くもって私見でしかないので、研究機関において専門的に調べてもらい、しっかり発表してほしいものです。

 かなり長い前置きになってしまったのですが、沖縄の環境問題、特に生態系については、多くの人にとって「基地問題」とリンクされている傾向にあります。
 このブログを見ている皆さんが興味があることは、おそらくこの部分ではないかと思います。


 「環境=基地」という見方はある意味間違いはありませんが、”地域の環境について真剣に考えている人がいて、どうしても基地問題とからめたい人達がいる。”そういう図式があることもご理解いただければと思うわけです。
 基地関係の環境問題でもめている地域については、本来「環境を守りたい」と考えて行動していたグループに、別運動のグループが入って、それをマスコミが集中的に伝えることで「環境問題=基地」となっている印象も受けます。基地関係の環境に限定して守るという意味では、それはプラスなのかもしれません。

 しかしながら、大変なマイナス面もあります。やたらめったら環境問題と基地問題と結び付けられてしまったために、地域や生活に密接した環境問題について無頓着な人が増えてしまっているのです。
 県内有名グループの歌にもありますが、魚が減っていることは知っていても、どう対応していいものか・・・と歌った歌詞は、まさに今の沖縄の環境意識について的を得ていると思います。

http://www.youtube.com/watch?v=eZfLzKAl1kc


 そういう事情をきちんと知っていただくためにも、身近な自然や立派な生態系を説明するために川の話を書かせていただきました。
 是非ともこのブログを見ている方にも、身近な自然や環境について興味を持っていただき、できることから初めていただいたうえで、皆さんが興味を持たれている諸問題に取り組んでいただければ、とても良い方向に向かうのではないかと思う次第です。


 次回は皆さん興味があると思う「沖縄の埋め立て事情」について書いてみたいと思います。

sacom(さこむ)フィッシングライター
http://fishersgate.ti-da.net/

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「沖縄県祖国復帰41周年記念大会」の告知です!!

司会はあの我那覇真子さんに決定!面白くなりそうです
https://www.youtube.com/watch?v=MejRmMRb_Ig

「沖縄の川」を見た!3 最終回
  特別ゲストに、TVでおなじみ「櫻井よしこ先生」をお呼びして、祖国復帰の理念に立ち戻り、沖縄の様々な問題に切り込んでいく大会としたいと思います。

◯祖国復帰日の丸パレード
10時30分 普天満宮集合
11時 パレードスタート(宜野湾市民会館まで約1,4キロ】

◯テーマ 「現在の沖縄問題を解決し、子や孫に誇れる沖縄県へ」
◯日 時 5月19日(日)14時開会(13時開場)

◯場 所 宜野湾市民会館大ホール(宜野湾市役所の隣です)
第一部 沖縄県祖国復帰41周年記念式典
第二部 記念講演 櫻井よしこ先生(ジャーナリスト)

◯会 費 500円
◯主 催 沖縄県祖国復帰記念大会実行委員会
那覇市若狭1-25-11波上宮内


基地問題・安全保障問題、前進しようとするたびに県内マスコミと一部勢力が猛反対し、正論を封じようとしています。
 「沖縄県祖国復帰四十一周年大会」では、四十年の歴史を振り返った昨年の大会から、新たな一歩を踏み出すべく、基地問題や安全保障など沖縄をとりまく問題にも取り組んで参りたいと思います。
ご協賛も募集しています。

琉球銀行口座 店番号308 口座番号512952
郵便振替口座 01700ー9-72981 沖縄県祖国復帰記念大会実行委員会

ご協賛いただいた方には、参加無料券を差し上げます。
またご希望の方は大会パンフレットにご芳名を掲載いたします。

お問い合わせ
電話 098-868-3697 FAX 098-868-4219
携帯090-6831-0989(坂本)
E-mail npnkig.okinawa@gmail.com


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Posted by ウチナンチュは見た at 21:58│Comments(0)環境問題sacom
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☆「職業・教組」・・・
ウチナンチュのような顔をしたナイチャー姉さん。家庭を守る主婦として沖縄暮らしについて一家言ある。非常識なペンネームに対して割りと常識人。                                                      
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何百年も続く家系の由緒正しきウチナンチュ。命をかける釣りのことから、環境問題、安全保障問題について他の追随を許さない知識量を誇る。しかしあまりにもマニアックすぎて周囲からは変態扱いされている。                                        
☆「もう琉大生」・・・首里城近くに生まれ育った、ちゃきちゃきのウチナンチュ。
進学校に進み、地元ヒエラルキーの頂点と言われる琉球大学に進学するものの、物足りなさを感じていた。

                         ☆「伊良部島の次男」・・・ 
2年前に仕事の関係で、那覇市に引っ越してきた。「ナイチャー」「ナイチャー」と言われ悩んだことも。
ペンネームは伊良部島へ行った時に、何故か道行く人に「オマエは◯◯の次男か」と何度も何度も間違われたことから。

☆「某琉大生」・・・※「もう琉大生」君とは別←沖縄生まれ沖縄育ち。沖縄の中の欺瞞的な反基地論を徹底的に批判するが、それは地元沖縄への郷土愛があるからこそ。見てはいけないものをよく見る。